個人的なテーマでもあるアトリビューションマネジメントについて、何回かにわけて自分の頭を整理するためにも書いてみようと思う。
アトリビューションマネジメントといったらこの会社、という、ATARAさんより引用:
Attribution Management(アトリビューション)とは、パフォーマンスの貢献度、パフォーマンスを出すに至った要因のことを指します。パフォーマンスを評価するにあたり、リターンがどのような源泉から生み出されたのかを分析するために使われる考え方です。
簡単にいうと、a)ディスプレイ広告のバナーを始めクリックして b)サーチでコンバージョンした場合、a)のバナーもコンバージョンに寄与していて、ちゃんと両方評価しないといけないよね、という話。ラストクリックだけ見てたら正しい投資判断できないよ、というお話。
これがもう少し深くなってくる。a)ディスプレイ広告のバナーを月曜日にクリックして、b)水曜日にブランド名でSEMで検索した場合の重みづけと、a’)ディスプレイ広告のバナーを月曜日・火曜日に見て、b’)水曜日にビッグワードで検索してコンバージョンした場合、a)b)と、a’)b’)はそれぞれパフォーマンスの重みづけが変わってくる。 詳しくはまた書きますが、この様に購買迄に至るプロセスをモデリングし、ファーストクリック、中間行動、ラストクリックを、同一の指標で見ていくもの。
超最近のトレンドの話、と思われがちですが、実はネット広告創成期から取り組みの一歩がされている事に注目したい。2000年にCCIとDACとVRIが共同出資で「アドソリューションエックス」という会社を設立。当時の発表内容はこの某重鎮のこのホームページを見ればわかります。
いわゆるDFAを普及させるために設立された会社。2000年ですぜ。検索連動型広告が日本でスタートしたのは2002年なので、相当昔から直接コンバージョンだけではなく、ディスプレイ広告の間接効果をちゃんと見ていかなきゃいけないよね、Cookie単位で見られる統合プラットフォームつくらなあかんよね、と先人たちは考えていたわけである。
アドソリューションエックスのソリューションは残念ながら普及せず、その後2003年にVRIに統合されて、現在はインタラクティブトラッカーという名称で提供されている。
現在のアトリビューション・マネジメントは、流入経路の多様化と、ユーザーの行動プロセスの多様化によって非常に複雑になっている。ソーシャルメディアが更にそれに拍車をかけている。&近年のアドテクの盛り上がりにより、金融工学的な要素が入ってきてこのあたりもなんとかしちゃおうぜお、というのが超ざっくりとした現在の雑感です。このあたりはまたちゃんとまとめますが・・・
何はともあれ一貫しているのは、アトリビューションマネジメントはクライアントにとってはマーケティング予算の投資の意思決定のためには最重要マターである、という事。これは真であると思う。また、ネット広告全体の可能性もここに秘めていると思う。 次回は具体的なモデリングと評価、またその課題あたりを書きたいと思う。