弊社Fringe81にも、12年卒の内定者がアルバイトにくる様になってきました。
仕事は普通に頑張れば成長しますが、「劇的に成長」し「只物にはなりたくない」という人が弊社には多い、と思っています。
今回のエントリーは、弊社の内定者・並びにネット広告業界・ネットビジネスに携わる人で「劇的に成長したい!」を考えている人用に、独断と偏見で「自分が読んでこれは!」という本を紹介をしてみます。
毛色の全然違う本を選んでみましたが、選んだ理由は下記の通りです。
Originalなアイデア・技術を磨く上で、Origin(起源)を知る必要がある、という事と、結局ネット広告、というクラスタを越えて、ビジネスパーソンとしての偏差値を極限までにあげる事が、劇的に跳ねるときに重要だという考えに基づいております。
ネットビジネスは情報戦です。ですが、TechCrunchとか、Mashableとかの記事をしたり顔で読んでも自分の知識にはなりません。「海外情報コレクター・海外事例コレクター」みたいな人も多いですが(昔自分もそうでした)、本質を理解できなくなるどころか、「俺は知っている」みたいな頭でっかちになってしまう可能性も高いです。クライアントであれ、ビジネスパートナーであれ、社内であれ、求めているのはフローの情報ではなく、正確な情報から裏付けされた、本質的な課題を解決するアイデア・提案です。
松岡正剛の知の編集術は、そんな膨大な情報を「編集」し自分でものを考えたりアイデアを深めたり、相手と建設的に議論をしたりする上での、ベーシックが書かれている一等の教科書です。
情報は既にネットにあるので、膨大な情報と情報を紐づけるためのサンプリング・リミックス・リマスタリングの作業メソッドが網羅されています。
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか スライウォツキー
スライウォツキーの名著です。自分があげる事もないかも知れませんが、これは鉄板ですね。私も、今でも自分のおひざ元に抱えております。事業を立ち上げるにも、クライアントのマーケティングの課題を解決するにも、結局、商売がどの様にすればうまくいくのか=継続的な利益を出し続けられるかのみです。
本の中ではストーリー仕立てで、23の利益モデルが紹介されています。お薦めは、読みながら儲けのフレームワークを自分なりに図式化してみる事です。 そして、自身の扱っているサービスや、お客様に思いを馳せながら読んでみると効果倍増だと思います。
この本は「わかった気に絶対なってはいけない」本です。実際クライアントのサービスを見て、プロフィットモデルのどれ(場合によっては複数のプロフィットモデルも)が頭にパッと浮かんでくる様になったら、それは既に只物ではない領域です。
われ広告の鬼とならん―電通を世界企業にした男・吉田秀雄の生涯 舟越 健之輔
電通の吉田秀雄の歩んできた歴史=日本の広告の歴史だと考えています。インターネット広告も新しいですが、ラジオ広告・テレビ広告なんかも、世の中全般の事業と比べても全然新しいわけです。 彼はメディアを愛していました。同時に、広告の科学的なアプローチ・テクノロジーを非常に重視していました。
広告を作る事とは何か、メディアを立ち上げるという事は何か、本質は変わらないと思います。広い視点で広告・メディアの成り立ちを捉える事ができますし、単純に読み物として面白いです。 元気がなくなったときに読むと、「このおっさんには負けられない」と、思わせてくれる本です。
電通は現在でも世界第5位、日本の広告費の22%のシェアを確保しています。「電通すごいよね」で終わってしまいがちですが、広告業という、ものづくりではない領域でそんなすごい競争優位性を作り、現在も継続している理由を探る、事が自分達の事業を見直す事にもなると思います。
現在精力的に活動されている「あずまん」の、1997年から2000年にかけて発表された”サイバースペースはなぜそう呼ばれるか”の論文・対談等がまとまっている本です。論考の内容は、精神分析の世紀、情報機械の世紀ーベンヤミンから「無意識機械」へ、とか、なじみがないと難しいかもしれないです。しかし、10年以上前の論考で、現在のソーシャルメディアが普及する環境を的確に当てていたりします。
ネットマーケティングのノウハウ本とか読むよりも、この様な図太い哲学者の思考の形跡をなぞる事でメディア論が今どの様に展開されているのか、というを考えるきっかけとなりつつ、今自分達が携わっているネットという情報産業を、改めて考える事ができるのかな、と思い選んでみました。
そんな自分も日々精進です。。またよい本があれば書いてみたいと思います。